第16回 JPCA賞(アワード)
この度、JPCA賞(アワード)選考委員会にて、厳正なる審査の上、第16回JPCA賞(アワード)受賞企業が下記の通り決定致しましたので、お知らせ致します。
JPCA賞は、全出展者の中からJPCA賞の審査にエントリー頂いた発表より選出致します。
JPCA賞の審査は、東京理科大学越地名誉教授(委員長)をはじめとする学術界、電子回路業界、専門誌編集者等有識者の方々で構成するJPCA賞(アワード)選考委員会が、『独創性(独自性・オリジナリティ)』、『産業界での発展性・将来性』、『信頼性』、『時世の適合性』を基準として、厳正に審査し、選出致しました。
JPCA賞【受賞者】※順不同
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- 大電流・高放熱に対応したスルホールめっき技術
メガスルホール™の開発 -
- <アブストラクト>
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ありそうでなかった大電流・高熱伝導を実現する新開発基板技術について
メイコーでは従来技術として広く使用されている貫通基板のサーマルビアをより高性能化する技術として、メガスルホール™を開発した。メガスルホール™はメイコー独自の技術により、一般的なスルホールの3倍以上の銅めっき厚を有し、大電流に対応した高性能なサーマルビアとして機能する。一般的なスルホールの延長線上の技術として設計する事が可能であり、高信頼性かつ量産性に優れた基板技術として幅広く活用が期待できる。 論文全文はこちらから
- < 受賞理由 >
- 車載を始め大電流・高放熱を求める回路基板のニーズが増えており、メガスルーホールは特定のスルーホール内の銅厚を厚く、しかも表層の銅はく厚を制限できることは理想的なプリント配線板加工法として期待でき、受賞に値する技術として選出した。
- 大電流・高放熱に対応したスルホールめっき技術
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- 高周波対応配線形成用新シードフィルム
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- <アブストラクト>
- フィルムの両面に、導電性の新シード層が塗工されたFPC用フィルムを開発。この新シード層は、セミアディティブプロセスにおける導電層として使用でき、銅めっきで形成した銅配線を劣化させずに新シード層のみを取り除くことができる。そのため、銅配線の表面は非常に平滑であり、高周波伝送用の低損失な銅パターン形成用フィルム基材として使用することができる。本品はDIC(株)様との共同開発品である。 論文全文はこちらから
- < 受賞理由 >
- 高速伝送路用FPCを目指し、高周波数における導体損失を抑えるために導体の表面粗さとパターンの痩せ細りを抑制し、狭ピッチ化と低損失化が両立できる新シードフィルムを開発した。今後、高周波において期待できる技術として高く評価した。
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- 次世代低損失BT レジン積層板材料
「CCL-HL972LFG/GHPL-970LFG, CRS-791」 -
- <アブストラクト>
- 当社のBT樹脂技術を応用し、ユニークな高周波用積層材料を提供します。半導体パッケージ用積層材の樹脂設計を高周波用に応用したHL972LF(LD)の高耐熱性を維持し、低損失性を進化させたHL972LFG/LFG(LD)及び、電子部品の低背化を実現できる低誘電率ビルドアップ材CRS791/792FX、GHPL-970FTを開発しました。当社はBT積層材により常に新しい技術を提供し、高度情報通信社会の発展に貢献を続けていきます。
- < 受賞理由 >
- 5Gを始め高速通信機器のニーズが広がり、高い周波数における低損失で信号伝送する伝送路材料が求められており、低Dk、低Df、高精細パターン(低粗度銅はく)を満足させる材料が主に樹脂の改良で製品化できたことを高く評価した。
- 次世代低損失BT レジン積層板材料
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- 微細藻類由来マイクロコイルを利用した
ギガヘルツ・テラヘルツ帯電波吸収体 -
奥野製薬工業株式会社
パナック株式会社
同志社大学- <アブストラクト>
- 5G以降の高速通信において利用が見込まれている、ギガ・テラヘルツ帯の高周波電波を効果的に遮断・吸収する材料として、微小金属コイル(=マイクロコイル)を用いた電波吸収体を作成することに成功した。本吸収体の作成は「バイオテンプレート技術」「表面処理技術」「樹脂成型技術」という要素技術の上に成り立っている。コイルの芯材として微細藻類を利用したことも大きな特色である。 論文全文はこちらから
- < 受賞理由 >
- バイオテンプレートによる無電解めっきで導電コイルを形成し、テラヘルツ帯をカバーする電波吸収体を実現させたことは大変興味深い。電波吸収体としてさらなる特性の改善と実用化の期待を込め、受賞に値するとして選出した。
- 微細藻類由来マイクロコイルを利用した
JPCA奨励賞【受賞者】
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- 自動車パワートレインの内部接続を基板対基板に置き換え
車載、耐振・フローティング構造コネクタFX26シリーズ -
- <アブストラクト>
- HV・EV等の新エネルギー車は今後大きな増加が見込まれる。このような車両に搭載されるインバーター等の駆動部品は厳しい熱・振動環境に置かれるが、ヒロセ電機がこの度開発した基板対基板フローティングコネクタ「FX26シリーズ」は小型サイズながら140℃までの耐熱性と優れた耐振性を実現することでそのような環境下での使用を可能とした。新しい接続方式の提案を通じ駆動部品の設計自由度と組立性を改善し、付加価値向上に貢献する。 論文全文はこちらから
- < 受賞理由 >
- 自動車パワートレインの内部接続において、接続部を基板対基板に置き換えた際の応力集中を、接続部にフローティング構造を導入することによって克服し、耐震性、耐熱性に優れたコネクタを開発した。今後の発展を期待し、奨励賞に選出した。
- 自動車パワートレインの内部接続を基板対基板に置き換え