6月5日(水)
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先端パワーエレクトロニクス技術体系教育講座の成果と 将来構想
*横浜国立大学大学院、**よこはま高度実装技術コンソーシアム
羽深 等*、河村篤男*、宮代文夫**、羽路伸夫**、小原秀嶺*、高橋昭雄*
横浜国立大学大学院 / よこはま高度実装技術コンソーシアム
NEDOの委託を受けて2015年度から実施して来た「先端パワーエレクトロニクス技術体系教育講座」について、その内容と成果を紹介し、今後の構想を提案する。本教育講座は、ベーシック・コースとアドバンスト・コースから成り、ベーシック・コースでは講義に加えて独自の思想に基づく実習・実験を通して基本原理・基本原則を身に付け、アドバンスト・コースでは講義と見学(現場・研究所・研究室)などにより最新の技術と思想を学ぶ。これらにより、技術全体を俯瞰する姿勢・視点と理論限界を超える発想力を育成することを目指している。事業の最終年度(2019年度)を迎えるにあたり、成果を振り返ると共に2020年度以降の取組みを提案する。
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非懸濁浴からのZn-Al2O3 およびZn-TiO2薄膜の作製と 評価
*関東学院大学大学院 工学研究科 物質生命科学専攻 小岩研究室
**関東学院大学 理工学部 化学学系 小岩研究室
***OKIエンジニアリング株式会社 信頼性解析事業部 解析センタ
小岩一郎*、**、加美山翔太**、大谷 直己***、 立山 博丈***、 矢部一博***関東学院大学大学院 / 関東学院大学 / OKIエンジニアリング株式会社
方、めっき液中に粉末を加えることはめっき浴の安定性や、濾過といっためっき浴の管理の観点からは好ましくない。先行研究により、非懸濁液から、第四級アンモニウム塩を使用することにより複合めっき膜であるZn-Al2O3が、形成できることが報告され、我々も多くの研究を行ってきた。その結果、非懸濁液から複合めっき膜を得ることができた。本報告では、非懸濁液からのZn-Al2O3およびZn-TiO2めっき複合膜の作製と評価を行った結果を報告する。
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放熱材料としての銅‐モリブデン合金めっき膜の成膜速度 に及ぼす浴温と攪拌の影響
*関東学院大学大学院 工学研究科 物質生命科学専攻 小岩研究室
**関東学院大学 理工学部 化学学系 小岩研究室
***フォトテクニカ株式会社
加美山翔太*、**、小岩一郎**、金 南宰***、大山 健***
関東学院大学大学院 / 関東学院大学 / フォトテクニカ株式会社
近年、電子機器の高速化、小型化、軽量化により、多くの電子部品が高密度に実装されており、発熱量が増大している。そのため、放熱対策が重要となっている。放熱板は、熱膨張係数の差で剥がれ等の問題を生じるため、熱膨張率を近づけることが重要である。1-5)また、放熱特性だけでなく、ある一定の強度、柔軟性が必要となる。そのため、一つの手法として合金を形成し、上記の特性を兼ねた材料を作製することが挙げられる。本研究では銅の有する高い熱伝導性とモリブデンが有する低い熱膨張率の両方の特性を持つ材料である銅-モリブデン合金を用いた放熱材料の開発を目的としている。また、作製方法としては、めっき法が期待されており、低熱膨張率で高放熱特性を得るためには、膜中のモリブデン含有率を高くする必要がある。そのためには、低い電流密度でめっきすることが必要となり、工業的に重要なスループットが低くなってしまうという欠点があった。本研究では、浴温と攪拌中心に検討し、高モリブデン含有率の膜を高速で形成することを目的とし、研究を行った結果を報告する。
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行動下発汗量計測機能を有するヘルメット型 ウェアラブルディバイスの開発
1 公立諏訪東京理科大学 工学・マネジメント研究科
2 公立諏訪東京理科大学 電気電子工学科
3 日本システム開発株式会社
4 公立諏訪東京理科大学 コンピュータメディア工学科
5 株式会社フジタ
6 株式会社高環境エンジニアリング
7 公立諏訪東京理科大学 機械電気工学科
小須田 司1, 中條 良亮2, 笹川 倖之介2, 西海 裕人3, 清水 俊治4, 組田 良則5, 近藤 敏仁6, 橋元 伸晃7
公立諏訪東京理科大学/日本システム開発株式会社/株式会社フジタ/株式会社高環境エンジニアリング
熱中症は高温環境下での労働で多く発生しており、熱中症死傷者は建設業が最も多いため、炎天下での建設現場における熱中症リスク管理は重要な問題となっている。熱中症予防のためには、体の水分量を維持するために、全身発汗量を把握する事が重要である。このため、まず本研究では建設現場で着用義務のあるヘルメットに着目し、各個人の行動下においても全身発汗量推定機能を有するヘルメット型ウェアラブルディバイスの開発を行った。次にその計測原理を実験的に確認したのち、開発したディバイスをヒト計測に適用した結果、開発したディバイスでの計測値と体重減少量に高い相関関係を見出し、全身発汗量推定の可能性を示すことができた。
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界面化学制御を用いたエポキシ樹脂中での銀ミクロフィラーの低温焼結誘導による導電性接着剤の高伝導化
群馬大学大学院
中澤史穂、井上雅博群馬大学大学院
導電性接着剤の電気および熱伝導特性を向上させるためには,フィラー間の界面電気抵抗を低減する必要がある.近年,銀ナノ粒子やナノ粒子の前駆体となる有機金属化合物などを用いた低温焼結技術が研究され、優れた電気伝導特性を有する導電性接着剤の開発が進められている.これに対して,本発表者らはナノ粒子等の特殊なフィラーなどを用いるのではなく,バインダの配合組成やフィラーの表面処理剤を工夫することにより,エポキシバインダ中で1~10 μmの粒径を有する銀ミクロフィラーを低温焼結することに成功した.本発表では,銀ミクロ粒子の低温焼結誘導の際の化学的因子の効果について説明する.
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機械学習にもとづくリアルタイム打音検査の実用化
*群馬大学大学院、**株式会社リアライズコンピュータエンジニアリング
岡 大輔*、小林 康博**、茂木 和弘*、 白石 洋一*
群馬大学大学院 / 株式会社リアライズコンピュータエンジニアリング
機械学習アルゴリズムを用いた官能検査の自動化が進みつつある.我々は自動車部品に対するリアルタイム打音検査システムの研究開発を行ってきた.リアルタイム処理では1部品当たりの検査完了時間に上限が与えられるため,サポートベクターマシンを使用した.現在,リアルタイム制約を遵守しつつ,検査の正解率が実用レベルに達しつつある.それまでに開発してきた方法として,打音の採取の方法,学習の方法,装置化の方法,に関して知見が得られたので,それらに関して報告する.
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エッジAIにおけるカメラ画像からのスケルトン 抽出処理の実装とその応用
群馬大学大学院理工学府
星野 泰隆、小渕 雅矢、茂木 和弘、白石 洋一群馬大学大学院理工学府
機械学習のモデルを実行するために,高コストパフォーマンスを持つエッジAIハードウェアが製品化されつつある.本報告では,カメラ画像から人を抽出し,スケルトンとして表現する機械学習処理をNVIDA JetsonとXavier上へ実装する研究について報告する.監視カメラとエッジAIハードウェアを接続することで,画像の動画をそのままサーバに送信するよりも通信量を大幅に削減し,サーバにおける画像解析を容易化することが可能となる.特に,スケルトン抽出処理とそのエッジAIハードウェア上への実装方法と,通信量,消費電力の実験評価結果について報告する.
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平面コイルを用いた共振周波数2MHz の 無線電力伝送システムの研究
群馬大学大学院理工学府
菊地 秀雄、中島 彩奈、茂木 和弘、白石 洋一群馬大学大学院理工学府
無線電力伝送システムを平面コイルの共振回路を用いて構成し、共振周波数2MHzでの無線電力伝送システムの特性を測定した。その共振回路のQ値を測定する専用の回路を試作し実験した。
共振回路の平面コイルによる損失よりも、共振用コンデンサー等の損失の方が大きく、それが共振回路のQ値を下げる主な原因である事が分かった。共振用コンデンサー等の損失において、接続ケーブルの導通抵抗やコンデンサーのリード線の導通抵抗による損失が大きい事が分かった。
なお、無線電力伝送が可能な共振周波数が3つあり、そのうちの1つの共振周波数はコイルの結合係数が変わっても変わらず、残りの2つの共振周波数はコイルの結合係数が変わると変化した。
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人間的性能を有した電動義手の開発
群馬大学大学院理工学府
元行 勝大、奈良 颯、白石 洋一、茂木 和弘群馬大学大学院理工学府
人間の手は非常に優れており様々な動作、様々な物体把持を可能としている。近年、3Dプリンタの登場などにより義手やロボットアームの開発はめざましいが、把持動作やその他動作において人間の手に勝るものは未だ存在しない。
これらの背景から人間の手に対してより再現性の高い義手を開発し、未知形状物体の把持や未知動作の実現を本研究の目的とする。
人間の手を再現するためには、人間の筋骨格により近い設計を行う必要がある。本研究では筋骨格についてLeap Motion Controllerから取得した動作情報をOpenSimソフトウェアでシミュレーションする。モデルベース設計(MBD)に基づき、得られた解析結果からハードウェア設計にフィードバックして進めていく。
6月6日(木)
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多層プリント配線板で形成するパラボラアンテナにおける 反射器サイズに対する利得と半値角の検討
*東京工芸大学 工学研究科、**東京理科大学 研究推進機構
松尾 佳樹*、越地 福朗*、越地 耕二**東京工芸大学 工学研究科 / 東京理科大学 研究推進機構
本研究では,多層プリント配線板で構成するパラボラアンテナにおける反射器サイズに対する利得の検討を電磁界解析によって行った.その結果,82×82 mm (20層), 62×62 mm (15層) では, アンテナ半値角は,それぞれ10.8°,15.8°で,ともに20 dBi以上の高い利得が得られることが確認された.また,反射器サイズを42×42 mm (10層)まで小型化しても,15 dBi程度の高い利得が得られることが確認された.
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磁性体を用いた経皮エネルギー伝送用コイルの検討-送受信コ イル間の軸ずれに対する磁束密度分布および伝送特性の検討-
*東京工芸大学 工学研究科、**東京理科大学 研究推進機構
佐藤 潤弥*、越地 福朗*、越地 耕二**
東京工芸大学 工学研究科 / 東京理科大学 研究推進機構
本研究では,経皮エネルギー伝送用のコイルにおける,磁性体を装荷した空芯偏平型コイルを対象として,送受信コイル間距離に対する伝送効率を電磁界解析によって検討した.その結果,磁性体を用いることで,コイル間距離が大きくなってもコイル周囲の空間に広がる磁束分布に大きな変化は見られず,強い磁束がコイル間に集中して分布していることが確認された.また,コイル間距離6 mmの場合には93.7 %,コイル間距離10 mmであっても,89.9 %の高い伝送効率が得られることが確認された.
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腕部における人体通信の電極に対する伝送特性の検討
*東京工芸大学 工学研究科、**東京理科大学 研究推進機構
望月 幹太*、越地 福朗*、越地 耕二**
東京工芸大学 工学研究科/東京理科大学 研究推進機構
本研究では,人体腕部における,人体通信用のウェアラブル電極配置,および送受信電極間距離に対する人体通信の伝送特性の検討を行った.その結果,ウェアラブル電極の配置にかかわらず,送受信電極間距離の増加にともない伝送特性が低下するが,送受信機間距離が120 mm 以下のようなごく近距離においては,電極は腕の短手方向に配置したほうが良好な伝送特性が得られ,送受信機間距離が120 mm 以上では,電極を腕部の長手方向に配置したほうが,良好な伝送特性が得られることが確認された
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給電線近傍に配置したJ 型パターンを用いた 5GHz阻止帯域を有するUWB 広帯域アンテナの検討
*東京工芸大学院 工学研究科 電子機械学科、**東京理科大学 研究推進機構 総合研究院
山梨 陽俊*、越地 福朗*、越地 耕二**
東京工芸大学院 工学研究科 電子機械学科/東京理科大学 研究推進機構 総合研究院
本研究では,広帯域な特性を有することで知られる半円台形不平衡ダイポールアンテナに着目し,アンテナの高機能化やコスト削減の観点から,新たなフィルタ部品を追加することなく, 5 GHz帯に遮断帯域を形成する検討を行った.その結果,アンテナの給電線路付近に,J字の銅箔パターンを設けることで,他周波数帯の特性劣化なく5 GHzのみを遮断できることを確認した.
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人体通信の体内埋込型心臓ペースメーカへ及ぼす電磁的影響 -電磁界解析のための全身モデルと胸部モデルの検討-
*東京工芸大学大学院 工学研究科、**東京理科大学研究推進機構 総合研究院
相澤 鷹比古*、越地 福朗*、越地 耕二**
東京工芸大学大学院 工学研究科/東京理科大学研究推進機構 総合研究院
本研究では,生体内に配置されるインプランタブル電子機器の一例として心臓ペースメーカを想定し,人体に接触する人体通信用ウェアラブル電極が通信周波数10 MHzを励振した場合の心臓ペースメーカに誘導される電磁ノイズ(誘導電圧),および周辺電界強度分布について検討を行った.その結果,ウェアラブル電極が生体内部に励振する電界強度は,生体外部に比べて小さく,ペースメーカにおける誘導電圧も十分小さいと言えることが確認された.
また,胸部モデルと全身モデルでは,同様の電界分布,および誘電電圧となり,解析時間短縮や計算量削減に胸部モデルが有効であることが確認された.
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Sn-Bi 合金の変形挙動に及ぼす添加元素の影響
群馬工業高等専門学校
山内 啓
群馬工業高等専門学校
Sn-Bi合金の変形挙動に及ぼす添加元素の影響について調査した結果について報告する。 Sn-Bi合金において、超塑性変形挙動に関する報告があるものの詳細については不明である。そこで本研究では、Sn-Bi合金の変形挙動、特に超塑性変形を発動する条件について詳しく調べた。微量添加元素が伸びを大きくすることがわかり、高温かつ低ひずみ速度で超塑性変形を示すことを明らかにした。
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非破壊リアルタイム蓄電池内電流イメージング技術の 開発
神戸大学/Integral Geometry Science
これまで良品として出荷された蓄電池が市場で発火事故などのトラブルを引き起こしている。ユーザーの使用にも問題があるが、出荷時の蓄電池内の発電の空間的不均一の度合が、電界集中により、使用とともに大きくなり最終的には短絡、発火となる。本研究では、出荷時もしくはリサイクル時に発電の空間的不均一の度合を、非破壊画像診断し、リスクの大きい蓄電池を篩落とす技術を開発した。本技術では、充放電時に蓄電池から漏洩する磁場の空間分布、超高感度2次元磁気センサアレイにて計測し、我々が世界で初めて導くことに成功した逆問題の解析解を用いて非破壊映像化する。この技術の普及により、安全な蓄電池の流通を促進される。
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Faraday 効果型光プローブ磁界センシング技術を用いた 航空機落雷検知センサの開発
*信州大学,**シチズンファインデバイス株式会社
山崎 健太*,塩田 健太*,岩見 晃希*,藤城 佑太*,
曽根原 誠*,佐藤 敏郎*,南澤 俊孝*,
宮本 光教**,久保 利哉**,宮地 幸祐*
信州大学/シチズンファインデバイス
航空機は,フライト時間1,000~20,000 [h]に一回の頻度で被雷するといわれており,機体で使用されている炭素繊維複合材料は電気的異方性を有しているため,雷電流は複雑な経路で機体を流れることになる.加えて,高抵抗のためジュール熱による発熱が大きく,機体の損傷を招くため落雷検知センサの開発・設置が重要になる.筆者らは,パワエレ用大電流センシング技術として,グラニュラー磁性膜のFaraday効果を利用した光プローブ電流センサの開発を進めている.本発表では,前記方式のセンサを利用した落雷検知センサを検討し,航空機雷撃模擬のインパルス電流発生回路を作製し,雷電流を模擬した電流測定をした結果について説明する.
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パワーデバイス用Niマイクロメッキ接合による 基板埋込型実装技術の検討
早稲田大学大学院
福井 直生,中川 将嘉,宮崎 達,飯塚 智徳,巽 宏平早稲田大学大学院
近年、電気自動車やハイブリッド自動車の開発と普及が進行し、省エネルギー等の観点からパワーモジュールに対する小型化、薄型化、高効率化等の要求が高まっている。本研究では、低温接合で高温耐熱性を実現できるNiマイクロメッキ接合技術を応用し、従来の方法よりも接合が容易かつ薄型である新しい接合技術の検討を行った。Cuのパターニングがされたセラミック基板にSiCチップを埋め込み樹脂で接合し、シード層を形成した上にメッキで配線層を生成し接合した。この基板埋込型実装技術によって、ワイヤーボンディングやソルダリングが不要であるためモジュールの薄型化やコストダウンに期待できる。
6月7日(金)
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静電モータを用いた昆虫型マイクロロボットを駆動する ハードウェアニューラルネットワークの開発
日本大学
佐々木 拓郎、黒澤 実花、小原 正也、長田 元気、水本 明日也、
平尾 聡志、金子 美泉、内木場 文男、齊藤 健
日本大学
我々はハードウェアニューラルネットワーク(以降HNNと表記)で制御可能な、昆虫型マイクロロボットについて研究を行っている。従来のマイクロロボットは、形状記憶合金によるアクチュエータで駆動したが、低消費電力化に向けて静電モータによる駆動を目指している。本論文では、開発を行っている静電モータについて簡単に説明し、マイクロロボットの歩行パターンとして静電モータの駆動波形を生成可能なHNNについて説明する。HSPICEによるシミュレーションの結果、昆虫の代表的な歩行パターンである三脚歩行を実現し、静電モータを駆動可能な波形が得られたため報告する。
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ニューロ回路の搭載により生物の歩容を発現する 四足歩行ロボットの開発
日本大学大学院理工学研究科
武井 裕樹、冨増 優樹、田澤 陸、森下 克幸、金子 美泉、内木場 文男、齊藤 健日本大学大学院理工学研究科
我々は生物を模倣したロボットの歩行制御について研究を行っている。これまでにアナログ電子回路でモデル化したニューロンを複数結合したハードウェアニューラルネットワークを開発し、四足歩行動物が示す歩容の再現に成功したが、歩容の生成は受動的であった。本稿では、ニューロンをネットワーク化せずに、足裏の圧力変化を自己回帰し、ニューロンの発火周期が変化するニューロ回路を各足に対応させ、四足歩行ロボットに4つ搭載することで能動的な歩容の生成を試みた。その結果、開発したロボットは足裏の圧力変化に応じて四足歩行動物の代表的な歩容を発現し、また足の移動速度に応じて歩容が変化する事を明らかにしたので報告する。
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スイッチング電源基板設計をテーマとした実践型講座の 新規開発
*近畿職業能力開発大学校、**四国職業能力開発大学校、***株式会社トータス
庄林 雅了*、東 正登**、高橋 成正***
近畿職業能力開発大学校/四国職業能力開発大学校/株式会社トータス
電源設計は 『この道 何十年』 の熟練エンジニアが担当するケースが多く、人材の高齢化により若手エンジニアへの継承・育成が特に急務である技術分野となってきた。しかし、既存の参考書籍や公開セミナーでは、各種電源の回路設計が中心であり、電源回路周りのプリント基板のレイアウト起因まで深く踏み込んだ内容は少なく、各企業が技術ノウハウとして、社外秘にしているケースが多い。そこで、本大学校の学生を対象に、実務経験のない受講者でも電源設計の本質が容易に理解できるよう回路設計~基板レイアウト設計~部品実装~特性評価までの首尾一貫したハンズオン中心の実習を実施した。本発表では、学生が設計製作した電源基板の測定評価結果をベースに講座内容を紹介する。
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負の透磁率材料を用いた矩形多層伝送線路の 表皮効果損失低減の検討
長野工業高等専門学校
鮎澤祥史,久保村航大,中山英俊,田中秀登長野工業高等専門学校
高速情報通信機器の動作周波数は数GHz帯からミリ波帯に及び、高周波における伝送線路損失の低減が課題となっている。高周波における損失の主因である表皮効果を抑制する技術として、正/負透磁率材料を交互に積層する伝送線路が提案され、特定周波数において導体のみの伝送線路よりも損失を低減できる効果が確認されている。筆者らは、提案された構造に対して、電流及び磁束密度分布を考慮して伝送線路損失が最小となる積層厚さの設計を検討している。電磁界理論計算に基づき、正/負透磁率材料の特性と積層厚さにより伝送線路損失を算出することができる。これまで、円形多層構造の検討を進めてきたが、本論文では矩形多層伝送線路に理論展開して設計を検討した結果を報告する。
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工具カタログデータベースに基づくデータマイニング手法 を用いたマイクロドリルの切削条件設定に関する研究
*同志社大学大学院 理工学研究科、**同志社大学 理工学部、***龍谷大学 機械システム工学科、****岡山大学 工学部
樋口 博一*、廣垣 俊樹**、青山 栄一***、小川 圭二***、児玉 紘幸****同志社大学大学院 理工学研究科/同志社大学 理工学部/龍谷大学 機械システム工学科/岡山大学 工学部
電子回路基板(PCB)は様々な電気製品に内蔵されており,近年,電気製品の小型化,高性能化に伴い,PCBの穴は小径化,高密度化してきている.そのため,穴開け加工条件の設定が難しくなっている.そこで本研究では,加工に関する情報を豊富に含むプリント基板用の工具カタログにデータマイニング手法を適用する(カタログマイニングと称する)ことで,公開されている知識やデータからプリント基板の穴あけ加工に役立つ新たな知識の発見を目的とする.本稿では,マイクロドリルの工具寿命や仕事量を算出し,非階層型クラスタリングを用いて分類することで,切削条件の設定方法について考察した.
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CO2レーザによるプリント基板のCuダイレクトレーザ加工 (高速度カメラ画像の2色法での加工温度解析とCFD解 析の比較)
*同志社大学大学院 理工学研究科、**同志社大学 理工学部、***龍谷大学 理工学部
山口 隆太*、青山 栄一**、廣垣 俊樹**、小川 圭二***
同志社大学大学院 理工学研究科/同志社大学 理工学部/龍谷大学 理工学部
本研究ではプリント基板のCuダイレクトレーザ加工において,加工中に基板材料が発光しながら上方向に噴出する様子を高速度カメラで撮影した動画データから加工品質に関する要因を明らかにすることを目的としている.この噴出物を画像の各画素のRGBデータのうち2つの組み合わせによる比から温度解析をおこなう画像2色法により解析した.その結果,Cuダイレクト加工により生じる噴出物の温度分布は熱流体の噴流と似た傾向がみられた.そこで本研究では,CFD解析により加工により生じる噴出物を噴流モデルとしてシミュレーションし,実測値との比較をおこなった.